ケアマネジャーの退職・転職理由で多いのは?本当に辞めてよかった?

ケアマネジャーの退職・転職理由で多いのは?本当に辞めてよかった?

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大枝 洋子のアバター大枝 洋子 ケアマネジャー

ケアマネ歴12年、介護福祉士歴8年。居宅ケアマネや施設ケアマネを含み、これまで4回の転職を経験。成功した転職もあれば、失敗した転職ありました。そんな転職経験を活かすため当ブログを立ち上げました。ケアマネジャーのお仕事や転職をサポートするセミナーに多数登壇。ケアマネジャー情報雑誌に掲載実績あり。保有資格は、介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士、介護事務、ケアクラーク、他。現在は千葉県内の主任ケアマネジャーとして千葉県内の地域包括支援センターで働いています。

どんな仕事も嫌なことがあったり辛くなれば辞めたくなるものです。ケアマネジャーという仕事ならではの悩みも多いことでしょう。

では、ケアマネジャーの退職理由・転職理由にはどういったものがあるのでしょうか?また、退職した方は本当に辞めてよかったと思っているのでしょうか?

本ページでは、アンケート結果を交えながら詳しくご紹介していきます。

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目次

ケアマネジャーの退職理由や転職理由で多いのは?

ケアマネジャーの退職理由や転職理由で多いのは?

仕事の合間に参考書を必死に読み、やっとの思いで資格を取得してケアマネジャーになったのに、いざ実際に働いてみると想像以上に大変で、辞めたいと思ってしまう方は少なくないでしょう。

そこで、どういった時にケアマネジャーを辞めたいと思うのか、みんなの退職理由をご紹介します。

ケアマネジャーの業務に専念したい

グループホームのケアマネとして転職したが、業務のほとんどが入居者様のお世話。休憩の合間や就業後の残業でケアマネ業務をするしかない状況。自分はケアマネなのか介護士なのか分からなくなってしまった。

介護職を兼務するケアマネジャーも、勤務先によっては存在します。

ケアマネジャーになるには、5年以上の実務経験が必要であり、介護支援専門員の資格を取得したばかりの新人でも介護スタッフとしてはベテランになります。そのため、居宅介護支援事業所を併設している介護施設などでは、介護スタッフとしての兼務を求められることがあります。

しかし、兼務しているとケアマネジャー業務に専念できず、ケアマネジャーの資格を取得したのに、その業務に専念できない職場で働くのは辞めたいと思ってしまうのも無理はありません。

責任が重すぎる

自分が担当した利用者様が居宅支援からホームに入ることになって、紹介した施設に入居した2週間後に亡くなったというのを知りメンタルが折れた。

ケアマネジャーは、利用者様の介護の方向性を決める重要な存在であり、ケアプランの内容次第で利用者様の生活が大きく変わるため、非常に責任があります。経験を積んでベテランになっても、自分の作成したケアプランが本当に適切なものであるのかと不安になる方は少なくありません。

さらに、ケアマネジャーの仕事には介護保険に関する重要な役割があります。もし不備があって監査に引っかかってしまうと、事業所が閉業してしまう可能性もあるため、利用者様やそのご家族、関係者に迷惑をかけることになります。

このような重大なプレッシャーに耐えられず、辞めてしまうケアマネジャーもいるようです。

仕事の量が多すぎる

入社して間もない時、通常業務もままならい状態で法改正。先輩ケアマネもテンパってるし、教えてもらえないし、自宅に帰っても仕事のことが頭から離れずに大変だった。

ケアマネジャーの業務は幅広く、その量も非常に多いです。

例えば、アセスメントシートやケアプラン、モニタリング記録、担当者会議の記録など、多数の書類を作成しなければならず、多職種連携を調整し、担当者会議に参加し、利用者宅を訪問する必要があります。

また、緊急時の対応や法改正に対応する必要もあり、ケアマネジャーの業務量は膨大です。業務をこなせばスキルアップすることができますが、その業務量の多さに疲れを感じて、辞めたくなってしまう人もいるでしょう。

職場の人間関係が悪い

ケアマネに限らず介護業界って女性スタッフがほとんどなんですよね。年齢層も高いせいか、悪口、陰口、いびりともう職場の人間関係は最悪でした。ターゲットにされて辞めてった人は数知れず。介護士不足はこいつらのせいでしょ。

人間関係が悪くなることが、退職を考える理由の一つに挙げられます。

社会人として働く以上、人間関係は避けられない問題の一つであると言えます。特に介護現場では、利用者様やご家族だけでなく、介護スタッフや医師、看護師などの多職種と連携しながら仕事をすることが求められます。

異なる立場や仕事内容の人たちと連携することで、価値観や考え方が異なることがあり、非協力的な態度をとられることもあります。施設によっては派閥も存在し、人間関係の悩みから離職を考える方もいるようです。

給料が低すぎる

基本給30万でも、いろいろ引かれて手取り20万ちょっと。1人暮らしなら何とかやっていけるかもしれないけど、家族がいたら厳しい。とりあえず仕事量の割に給与が低すぎる。

介護現場で働くケアマネジャーの多くは、激務の割に給料が低いことに不満を持っているようです。

厚生労働省の調査によると、2021年のケアマネジャーの平均給与は362,290円で、介護福祉士の平均給与は328,720円となっています。以前はケアマネジャーのほうが高い給与を得ていたのですが、2019年10月に導入された特定処遇改善加算により、勤続10年の介護福祉士の給料が8万円アップしたことで、ケアマネジャーの給料が低くなってしまうケースも出てきました。このことが、離職や転職の原因になっている人も多いとのことです。

相談できる人がいない

ケアマネ1年目で施設ケアマネになったのが失敗でした。業務の引継ぎもほとんどなかったので大変な思いをしました。ケアマネの急募求人恐るべし。実務経験が少ない人はまず居宅からスタートすることをおすすめします。

ケアマネジャーの配置基準は勤務先の規模によって異なります。

例えば、居宅介護支援事業所では、1人のケアマネジャーが最大35人の利用者様を担当し、介護施設では1人の常勤ケアマネジャーが最大100人の入居者様を担当できるように定められています。このため、小規模な居宅介護支援事業所や、定員が100人以下の介護施設では、職場にケアマネジャーが自分1人ということは珍しくありません。

その結果、ケアマネジャー同士で相談できる人がいないという状況に陥り、仕事に対するプレッシャーが強くなり、結果、辞めてしまう人もいるようです。

ケアマネジャーの仕事を辞めてよかった?

ケアマネジャーの仕事を辞めてよかった?

これまでにケアマネジャーの仕事を退職した経験のある方を対象として、合計200人に「ケアマネジャーの仕事を辞めてよかったのか?」という質問でアンケートを実施してみました。

退職後はどうした?

まずは「退職後はどうしたのか?」というアンケートですが、結果は以下の通りとなりました。

アンケート:ケアマネジャーを退職後はどうしましたか?
ケアマネジャーとして転職した79.5%
別の職業に転職した11.3%
働いていない5.1%
無回答4.1%

退職後は別の事業所へ転職し、再びケアマネジャーとして働くことを選んだ方が8割近く。ケアマネジャーとしての仕事は嫌ではないが、今の職場に不満があるという理由で退職した方がほとんどということが分かります。

本当に辞めてよかった?

続いて「本当に辞めてよかった?」というアンケートをとってみました。その結果が以下。

アンケート:ケアマネジャーを辞めて後悔していますか?
辞めてよかった83.4%
辞めなければよかった12.9%
どちらでもない3.1%
無回答0.6%

「辞めてよかった」という意見が8割以上となっています。つまり、退職に関しては踏み切ってよかったということでしょう。その一方で、1割の方が「辞めなければよかった」と回答しており、退職して後悔する場合も少なからずあり得るのかもしれませんね。

ケアマネジャーの仕事を辞めたくなったらどうするべき?

ケアマネジャーの仕事を辞めたくなったらどうするべき?

ケアマネジャーが辞めたいと思った場合、現在の職場環境で何か改善できないか試してみる価値はあります。自分の気持ちを表現することで、上司もケアマネジャーの負担を理解してくれる場合もあります。

書類作成業務を効率化するために、介護支援ソフトの導入やペーパーレス化も有効です。職業は常に変化するため、周りが自分に合わせてくれるのを待つのではなく、自分から周りを変えていく努力が必要です。

他の職場へ転職してみよう

自分なりに色々試しても現状の改善に至らなかった場合は転職を検討しても良いでしょう。高齢化社会においてはケアマネジャーの需要が高いため、資格を持つ人は多くの職場で活躍できるはずです。

ただし、転職先を選ぶ際には慎重にリストアップして悩みや不満を考慮する必要があります。

思い切って休業しよう

仕事には向き不向きがあります。ケアマネジャーの仕事を辞めるということも選択肢の1つです。仕事に疲れた場合は、一度辞めて休むことも大事。

現在の職場で1年以上勤務している場合は、失業手当が出るので十分にリフレッシュできるでしょう。身体や心を十分に休ませることで、再びケアマネジャーの仕事に向き合えるようになるはずです。

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退職や転職はマイナスではなくプラス

ケアマネジャーが退職したり転職する理由には様々なものがあります。ただ、辞めるということは決して悪いことではありません。次へと進むために必要なステップなんです。

日本では仕事での「耐える」や「我慢」を間違った意味でとらえてしまう方が多いというのも事実。追い込まれてしまって体調を崩してしまっては本末転倒です。

ケアマネジャーとして働くにあたって、自分自身の中で「こうありたい」という軸をしっかり持って行動すれば、きっと良い方向へ変わるでしょう。

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大枝 洋子のアバター 大枝 洋子 ケアマネジャー

ケアマネジャー歴12年。居宅ケアマネや施設ケアマネを含み、これまで4回の転職を経験。ケアマネジャーのお仕事や転職をサポートするセミナーに多数登壇。ケアマネジャー情報雑誌に掲載実績あり。現在は千葉県内の主任ケアマネジャーとして千葉県内の地域包括支援センターで働いています。

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